マグネシウムが不足するとどうなる?
マグネシウムは、体内の筋肉や神経を正常に作用する機能をサポートしている他、エネルギーをはじめとする代謝機能にも大きく関わっています。人間が生きるためには必要不可欠な栄養素で、不足すると体にはいろいろな症状が現れるため、注意しなければいけませんね。
マグネシウムが不足することで気づく初期症状には、疲れがとれにくいとか、手足がむくみやすいとか、肩こりが起こりやすいと言ったものが挙げられます。この栄養素は、ミネラル成分の中でも特に、心臓や筋肉、脳や神経の働きをサポートします。そのため、不足するとこれらの機能がバランスを崩してしまうのです。
マグネシウムが不足すると、心臓に関しては心筋梗塞のリスクが高まります。またこの栄養素は、血栓が作られるのを防ぐ役割もしており、血圧を正常な状態に維持する機能に貢献しています。そのため、マグネシウムが不足することによって高血圧が起こりやすくなってしまいますね。
筋肉にとっても、マグネシウムは必要な栄養成分です。マグネシウムが不足すると、筋肉と神経の連携が正常にできなくなり、こむら返りや足のつりが起こりやすくなってしまいます。もしも普段から足がつりやすいという人は、もしかしたらそれは、マグネシウム不足が原因なのかもしれませんね。その他にも、マグネシウムが不足することによって、筋肉痛がなかなか軽減できずに慢性筋肉痛などの症状が起こりやすくなります。
マグネシウムの不足は、神経機能へも影響を与えてしまいます。例えば、自律神経が正常に機能しなくなると、レム睡眠のサイクルがバランスを崩して、睡眠の質が低下したり、不眠症になってしまうリスクがあります。初期症状としては、他にもイライラしやすくなったり、不快に感じることが多くなるなど、気分のムラが挙げられますね。
その他にも、頭痛が慢性的に起こりやすくなったり、ちょっとしたことでも不安を感じやすくなるなど、心の安定という面でも影響が出るかもしれません。その他にも、視力が低下したり口内炎ができるなど、皮膚や粘膜の疾患にもかかりやすくなってしまいますね。
マグネシウムはどのくらい摂取すればいい?
マグネシウムは、毎日の食生活で摂取することが可能な栄養素です。1日当たりの摂取目安量は、成人の場合には男性なら約370mg程度、女性なら290mg程度摂取できれば、十分だと言えます。
日本人の食生活においては、1950年ごろからマグネシウムの平均摂取量は1日当たり300mg程度であり、大きな変化はありませんね。しかし食生活が欧米化することによってカルシウムの摂取量が大きく増えました。カルシウムは過剰に摂取しても尿として排出されますが、その際にはマグネシウムも一緒に排出されてしまうという特徴があります。その結果、マグネシウムに関しては十分に摂取しているはずだけれど、排出される量が多いために、実際に体内に残存するのは、男性の場合には約130mg程度、女性だと約80mg程度となっているのです。これは、1日に必要なマグネシウム量と比較すると、大幅に不足していると言えます。
マグネシウムが多く含まれる食べ物・飲み物
マグネシウムは、日本人の伝統的な和食で活躍してくれる食材に多く含まれています。穀類なら、白米よりも全粒穀物に豊富にマグネシウムが含まれていますし、わかめなどの海藻類や、大豆などの豆類にも含まれています。
普段の食生活の中でマグネシウムを積極的に摂取するなら、生鮮食品に注目すると良いでしょう。これは、精製や加工、添加する前の段階の食材のことですね。例えばお米なら、精製前の玄米なら、100グラムの玄米にマグネシウムは約49mg含まれています。しかしこれを精製して白米にすると、マグネシウムの含有量はわずか7mgまで減ってしまうのです。
具体的にどんな食品がマグネシウムを多く含むかという点ですが、おすすめの食品の頭文字をとって「そばのひまごとまごはやさしいこかい、なっとく」と覚えてはいかがでしょうか。最初の「そ」はソバの実を差し、2番目の「ば」はバナナ、3番目の「の」は海苔を表します。ヒジキや豆類、五穀や豆腐、そして抹茶や胡麻などその後に続く食品は、どれもマグネシウム含有量が多いので、積極的にいただきたいものです。その後はワカメや野菜、魚やシイタケ、イチジクや昆布など、和食で活躍してくれそうな食品が並びます。芋や納豆、トウモロコシやクルミなども、雑穀米と合わせれば簡単で、しかも高い栄養価が期待できる食品ばかりですね。
まとめ
マグネシウムが不足すると、筋肉や神経だけでなく、心臓や脳などがバランスを崩し、さまざまな疾患を発症しやすくなります。もしも初期症状の自覚があるのなら、早い段階から食生活を改善して、マグネシウムが多く含まれている食品を積極的に食べるように心がけてくださいね。